【元指導員が解説】本免 一発合格のコツ【効果的な勉強法】
11月に入り、高校生が自動車学校に通う季節になってきました。
今回は運転免許を取る人なら誰もが通る「本免学科試験」の概要や裏話、元指導員という立場から効果的だと思う実践的な対策や勉強方法を解説します。
現役ではないからこそ言える「現場の現実」を交えつつ、忖度なしの本音を話します。
本免学科試験とは
本免学科試験とは、運転免許を取ろうとする人が受ける学科試験です。
別の記事で書いたように運転免許には【技能試験】と【学科試験】があり、
自動車学校を卒業した方はこの【技能試験】が免除になるので、【学科試験】が最後の試練になるわけですね。
ちなみに自動車学校卒業証明書の発行から「1年以内」に学科試験に合格しないと【技能試験免除】の期限が切れてしまい、もう一度自動車学校やり直しなので注意しましょう。
本免学科試験の概要
本免学科試験は各都道府県の「運転免許センター」で行われます。
必ずしも「各都道府県に一つずつ」あるわけではなく、人口が多い県などは複数個所あったりします。
では、以下試験の概要です。
試験問題数:全部で95問。一問1点×90問と、一問2点のイラスト問題が5問で合計「100点満点」です。
試験時間:50分
合格基準点:90点以上 (「以上」なので90点でも合格です。89点は不合格ですね。)
合格率:約70%
本免学科試験の概要はこんな感じです。
ちなみに私、元々自動車学校の指導員をやっていましたが、18歳で免許を取るときに実は一回落ちてます( ̄д ̄)笑
よく「89点で落ちた~」っていうのを聞くんですが、私も89点て言われました。
試験官が慰めの為に「89点」って言ってくれてるんでしょうか?
試験に落ちやすい(?)噂話
これは私が実際に指導員をしていた時に何回か耳にした噂話です。
単純に勉強不足で不合格なのは本人の問題ですが、本人の頑張りが足りない以外にこんな噂がありました。
「合宿免許に行ってきた人は学科試験の合格率が悪い」
聞いたことないですか?
実際に地元の自動車学校を卒業した人と、県外で合宿に行ってきた人との合格率の差のデータが分からないので真否は分かりませんが、この噂話、意外と間違いではないかも(?)と思う部分もあります。
以下、個人的な意見ですので、あくまでも「参考程度」に読んでみてください。
試験に受かる人と落ちる人の違い
めっちゃ勉強して受かる人、そんなに勉強しなかったのに受かる人。
めっちゃ勉強したのに落ちる人、そんなに勉強しなかったから落ちる人。
「合格」「不合格」のどちらかとは言え、その内容にもいろいろあります。
では実際に受かる人と落ちる人の差はなんなのでしょうか?
もちろん「地頭の良さ」もあるかもしれませんが、それを言い出すと解決になりませんよね。
私が思う「差」とは、「問題慣れしているかどうか」だと思います。
例えばこのような問題があったとします。
「路線バスが発進の合図を出した時、後方の車は一時停止して、その発進を妨げてはならない」
答えは「×」です。 発進を妨げる行為はいけないが、一時停止の決まりはない からです。
教本だけ完璧に覚えていても実際に問題として出ると「あ、止まって譲らないと」と思ってしまいがちです。
みなさんがよく引っかかるのは結局この「〇〇しなければならない」と言う表現での迷いが多いと思います。
あれ?どっちだっけな? した方が良さそうだけど、義務だっけな? と悩むわけですね。
こればっかりは何度も繰り返して問題を解くことで慣れるしかないと思います。
参考書や問題集は買った方がいい?
私が指導員をしている時に教習生からこんな話を何度か聞きました。
「今日送迎バスのおっちゃんが学科試験一発で受かるコツ教えてくれた!」
(おっちゃん何者・・・(+_+))
その内容というのが、
①本屋で問題集を買って、ノートに書いて答え合わせをすること。
②間違えたところを家の人に教えてもらうこと。
・・・なぜ家の人? まぁ家族のコミュニケーションには良いかもしれませんね。
そして「この方法を伝授した人はみんなちゃんと合格している☆」というお墨付き!
ツッコミどころは満載ですが、多分おっちゃんのおかげじゃなくて自動車学校のおかげですよ。
おっちゃんの「伝授」で実際に問題集買おうか迷ってる教習生もいましたが、全て「必要ない」って言ってきました。
この次に書きますが、「参考書や問題集は買わなくていい理由」がちゃんとあるんです。
これをやれば参考書や問題集は買わなくていい
これにはわけがあるんです。
わけを書く前に確認ですが、みなさんの自動車学校では、「本屋で買うような問題集」以外に「その自動車学校自作の問題集」は貰えましたか?
それが大事なんです。もしかしたら入学時点では貰っていなくても卒業の時に配られるかもしれません。
「手作り感満載の問題集」を貰ったら、それ、めっちゃしっかりやってください。
ではそのわけを話しますが、これは上で書いた「合宿免許組は本免合格率が悪い?」についても絡んでくる内容です。
まず、みなさんが自動車学校を卒業して「運転免許センター」に試験を受けに行った時の結果は、「卒業校別の合格率」として各自動車学校が知ることになります。
そしてこの合格率ですが、数年に一度「ガクッと下がる年がある」んです。
なぜだか分かりますか?
その答えは「運転免許センターの試験問題が新しくなった」からなんです。
え?そんな理由? と思いませんか?
多少の免許制度の改変があってそれを反映する必要があるのもあるんでしょうが、「今までの問題が新しいものになる」だけで合格率が落ちるんですね。
上で書いたように各自動車学校は「卒業校別合格率」を意識します。
その為に「本免を受けに行った人に問題の聞き取りをしている」んです。
これは言っていいのか分かりませんが、私がいたときは「〇番~〇番の問題覚えてきて欲しいな」みたいにお願いして、実際教えてくれた人にジュース奢ってる人もいましたよ(セコい・・・)
免許センターが用意している問題も数パターンでしょうから、これを積み上げると年々合格率は上がるのは当たり前ですよね。
実際に本免で出される問題を対策できるわけですから、「問題慣れ」としてこれ以上効果的なものはありません。
なので数年に一度問題が作り直されるわけです。
そしてその度に合格率が下がる → 問題が変わっても自動車学校は対策をする → そしてまた問題が変わる。
もうイタチごっこですよ。
そういう事情なので「合宿免許に行ってきた人」は地元の問題に触れる機会がないので、合格率が低いという噂も少し納得できるかなと思うんです。
なのでもし合宿免許に行ってきて、いざ地元で本免を受ける人で地元の自動車学校に通っている友達か知り合いがいる場合は問題集を借りれるといいですね。
そういうことで、私が一番効果的だと思う勉強方法は、
自動車学校で貰った手作りの(本と言うよりプリント)問題集を徹底的にやる!です。
当然「違う言い回しの同じ問題」などにも慣れる為に、他にも問題集を貰ったならそれもやっておくことをオススメします。
まとめ
いかがだったでしょうか?
裏事情のような内容も含んだ話もしましたが、自分なりの方針は見いだせたでしょうか?
本免は基本毎日行われているので、毎回新しい問題を作るのは現実的に難しいわけです。
他の資格試験などでもそうですが、実施回数が多いものは当然問題の使いまわしがあるわけで、その対策をするのが合格への近道になります。
ただ、一つ覚えておいてほしいのは、「どうしても合格したい!」のは分かるんですが、必ず正しい交通ルールも身に着けて、運転デビューして欲しいという事です。
自動運転も開発され、今後益々変化していく自動車業界ですが、正しい知識はいつになっても必要です。
簡単には受からない試験ですが、ちゃんと勉強すれば必ず合格できます。
頑張ってください。